君とお絵かき
君とのこれから
「「退院おめでとう、蓮ちゃん!」」
「莉桜ッ···。」
ついに退院の日がきた。
足は動くようになったが、もちろん手は動かない。
莉桜は嬉しそうに花束を持っている。
私の好きな花だ。
「はい、蓮ちゃん。リハビリ、とっても頑張ったよね!」
「ありがとッ····。」
私、弱くなっちゃったのかな。
莉桜が優しく声をかけてくれる度に、涙が溢れてくる。
莉桜に、甘えちゃいたいよ。
莉桜の肩に、少しの間 肩を寄せる。
「·········甘えんぼさんになっちゃったのかな?蓮ちゃんは。」
「少しだけ····このままでいさせてよ······。」
「ずっとやってても、いいよ···。」
莉桜は私の方にも肩をよせた。
(もう、変な趣味に目覚めちゃうじゃん·········。)
邪念を振り払って莉桜を見る。
安らかな笑顔、こうしてみると、莉桜は美人だ。
意外に病院は遠かったみたいだ。
家に帰る電車の中で私達はほっこりと微睡んだ。