君とお絵かき
「えっ!へっ!ロールケーキ!?どこどこっ!!」
莉桜の好物はロールケーキ。
ロールケーキに目がないのだ!!
「そんなのないよ?www」
「ひっ、ひどい!蓮ちゃんっ!」
以前この方法を使って莉桜を起こしている莉桜のお母さんを思い出した。
「はいはい、怒るのはあと、降りるよー。」
「うぅ。」
莉桜はどこか腑に落ちない様子だったが、このままではドアが閉まるので無理やり連れ出そうとする。
「あ。」
そう言えば手が動かないんだった。
さっきまで手なんて使ってなかったから気付かなかった────
「ほら。」
─────なので足でつついて動かした。
足なんかでつつかれて不機嫌そうな莉桜を連れて、私達は駅を降りた。