君とお絵かき
駅ではそわそわした様子のお母さんが待っていた。
(こっちは手が動かないっていうのに·······。)
蓮は心の中で文句を言う。
「ごめんねっ!蓮っ!お母さん仕事で病院まで迎えに行けなくて·········。」
私達を見つけ、慌ててこちらに来るお母さん。
「蓮ちゃんママ、そんなに慌てないで下さいよー。蓮ちゃんは大丈夫ですよっ!」
それに対応する莉桜。
さっきまでうとうと、そして不機嫌だった莉桜はもうとっくに元気だ。
「あらぁ、莉桜ちゃん!莉桜ちゃんが言うなら安心ね。」
「えっ、どういう事よお母さん。」
「ふふっ、ありがとうございます!蓮ちゃんママ。」
流石、大人の対応をとる莉桜。
それに比べて私は───······。
(──っ····いけない、いけないっ!)
最近、情緒不安定になっているのか、怒ったり泣いたり笑ったり忙しいのだ。
「·····蓮ちゃん?」
ほら、莉桜も心配してる。
「何でもない、少し·····考え事!」
「ふぅん·····ま、いいや!早く帰ろ!」
「ふふふ、蓮と莉桜ちゃんは仲良しねぇ。」
(そんな分かりきった事を·········。)
「もちろん!」
私は意気揚々と答えた。
「そうだね!」
莉桜も、返してくれた。