君とお絵かき
一つだけの選択肢
「バイバーイ!」
莉桜と挨拶を交わした後、空はすっかり夕焼け色に染まっていた。
「······綺麗だなぁ。」
そう言って蓮は、自分の手を見つめる。
「醜い·········。」
「ん?どうかしたの?蓮。」
「なっ、ななっなんでもっ!」
お母さんに聞こえていたらしい。蓮は慌てて誤魔化した。
「そう·····。」
そう言われたお母さんは少し寂しそうだ。
(私·········何かまずい事言ったかな。)
心配になった蓮はお母さんを見る。
「───蓮。」
「えっ?」
いつになく真剣そうに、口を開く。
(な、何·······?)
「何?·········お母さん。」
「あのね·········、もしかしたら───」
「──────えっ!?」