君とお絵かき





「何それ·········。成功率·····高いんでしょ?失敗する確率は、少ないよね?」




蓮はどこかすがるように言う。



信じていたいから。







「えぇ、成功率は高いわ。92%。」





「──でも、失敗したら、切断·········。」





そんなの、選べない。




───92%。高い。成功率は高い。





でも。





────失敗したら、切断。




蓮にとっては、失敗する確率がたった8%でも、もし、もし失敗して、手が無くなったらなんて。



(考えたくない·········。)




治るかも、しれない。




手を切断するかも、しれない。







蓮はこの選択肢からすぐに一つを選べるほど強くは無かった。




「ど···········しよ·········。」




「良いのよ、ゆっくり考えて。次に病院に行く時までに決めればいいわ。」





「ぅ···ん······」





「お母さんもお父さんも、蓮が決めた答えなら、反対しないわ。」




「·······分かった。一人に·········して。」





パタン





お母さんはそれ以上言葉を発する事なく、蓮の部屋から出ていった。






< 61 / 104 >

この作品をシェア

pagetop