君とお絵かき
✲莉桜視点
チュンチュン········
「───朝かぁっ!」
莉桜は毛布の中からもそもそと起き上がる。
寝起きが良いほうではない。どちらかというと悪いほうだ。
(昨日も蓮ちゃんに足で·······。)
笑っていた蓮ちゃんを思い出して少し腹が立ったが、ずっと悲しそうな表情だった蓮ちゃんが笑顔になって良かった。
「さっ、メール返信来てるかなーっ。」
昨日、蓮ちゃんにメールを送った。
普段は言えないことも、メールなら気軽に打てる。でも、形に残っちゃうから少し恥ずかしいんだけどね。
もちろん内容は蓮ちゃんだけにしか教えないよ!
ベッドで寝転びながら受信フォルダを開く。
「あれっ。」
来てない。
いつもならすぐ返してきてくれるのに。
「手·······大丈夫かな。」
蓮ちゃんは、メールも音声送信で出来るって言ってたけど。
「何かあるんじゃ·······?」
なんとなく。女のカン、って言っちゃなんだけど、友達のカンって言うのかな。
「蓮ちゃん家、行ってみようかな。」
中学生になってから知り合った二人だが、家も意外に近かったのだ。