君とお絵かき
スッ──スッ─スッ───
「はぁあぁ·······!!手が動くよぉおおっ!」
スマホを触るだけで興奮する。嬉しい。
「もう電話で言おう!」
トゥルルルルル·········トゥルルルルル·········
『はーいもしもーし?』
莉桜がでた。
「私だよ!蓮だよ!」
私はいつにも増してテンションが上がっていたので、少し声が裏返ってしまった。
『蓮ちゃん?あ、手術終わったんだよね?どうだった?』
へへへ·······治ったって言ったら、莉桜喜ぶだろうなぁ······っ。
「ふふっ、実はねー、治ったんだ!手、動くようになったんだよ!」
『·········。』
·····あれっ?
「えと·······莉桜?」
返事が帰ってこなかったので私は不審に思った。
『······っ、あっ!ごめん!少しボーッとしてて!そっ、それより良かったね!!また、絵が書けるね!』
やけに慌てている声が返ってきたが、私も舞い上がってたので特に気にしてはいなかった。
「うんっ!······本当によかった······!!莉桜が励ましてくれたお陰だよ!!」
『そっ······そんなことないよ!蓮ちゃんが、頑張ったからだよっ!』
「また、一緒に絵書こうね!」
『うっ、うん!』
「それじゃあ、またね!」
プチッ────
一通り話をし終えたので電話を切った。
「それにしても·······やけに焦ってたようだけど、何かあったのかな?」
やはりあれだけ慌てていると心配になってくる。
(また電話するのもあれだし、学校に行けるようになったら聞いてみよっと)
そう思い、医者と母が来るまで本を読んで待つことにした。