君とお絵かき
✲莉桜視点
「はぁぁぁああぁ·········っ。」
───蓮ちゃんの手術が成功した。
私は口から魂が抜け出してしまいそうな程に深い溜め息を漏らした。
勿論、治ってくれて嬉しい。いつもなら飛んで喜んで宇宙まで飛んでいくレベルだ。
と、それは言い過ぎだが。
とにかく、それぐらい嬉しい事なのだ。
なのに、何故こんなにしょぼくれているよかというと。
「全身麻痺·········。」
蓮ちゃんは知らない。
次の手術があって、その手術が失敗すると全身麻痺になるってこと。
「だから、全身麻痺になるくらいならこの手術成功しなきゃいいとか······思って·········。」
だったら次の手術なんてやらなきゃいいとか思ったりもするが、そうにはいかない事情があるらしいのだ。
「はぁぁぁ·········。」
もう完全に魂が抜け出していると言っても過言ではない。
「全身麻痺なんて······。」
莉桜は目に涙を浮かべていた。