君とお絵かき
✲莉桜視点
「蓮ちゃん·········」
蓮ちゃんが手術室に運ばれてからおよそ数十分。
ただただ祈るしかない。
蓮ちゃんとまた絵を描きたい。
こんな事になるんだったら、私が、私が、蓮ちゃんの代わりになれればよかったのに·········。
情けない涙がポロポロとこぼれ落ちてくる。
蓮ちゃんのお母さんが背中を撫でてくれるが、蓮ちゃんのお母さんも泣きたいのだろう。
私に出来る事なんて、蓮ちゃんの手術が成功するようにただ祈るだけなのだ。
それでも、蓮ちゃんが元に戻るなら。
いつも優しくて強い蓮ちゃんがまた私の隣で笑ってくれるなら。
「待ってるから·········ずっと·········!」
手を合わせて祈り続けた。
相変わらず涙は止まらない。
ポタポタ、ポタポタ、と溢れ出してくる。
「嫌だ·········蓮ちゃん·········っ!!」
もう、私が消えてもいいから。
蓮ちゃん。治って。