縁結び承ります!
「やっぱ、ユカリは神様だよ!」
「へへーん。そこまで言われると調子乗っちゃうよ?」
「乗っちゃえ乗っちゃえ!」
「うるさい、邪魔。」
「「....え?」」
あ、しまった。
ここ、廊下の真ん中だよ。
二人で盛り上ってたけど、確実に通行人の邪魔だよ。
私達を睨み付ける一人の男子がいた。
ヤバイ、なんか凄く怒っていらっしゃる。
「...す、すいません。」
小さく謝って、カノンと隅に避けて道を開ける。
....。
なぜ、通らない。
やっとこさ歩き出したと思ったら、クルッと私の方を向いた。
「...な、によ。」
「神様がどうとか、盛り上がってるけど、いい年して恥ずかしくないの?」
「え...」
「神様なんだの言われて喜ぶ暇があるなら、周り見ろ。このバカ女。」
舌打ちが聞こえてきそうなくらい不機嫌な様子でそいつは去って行った。
なんなの、アレ。
と言うか、バカ女!?
確実に私に向かって言った!
いや、確かに邪魔になってしまったことは申し訳なく思うよ!
でも、謝ったじゃん!
なんで、あそこまで酷い事言われなきゃなんないのよ!
「....ユカリ、顔、凄いことになってる。」
きっと、私の顔は怒りで凄いことになっているだろう。
「あいつ!!
あんなに言わなくても良くない!?
私、ちゃんと謝ったじゃん!!」
「ゆ、ユカリ!落ち着いて!」
「最悪な一日の始まりだわ!」