蓮月~ハヅキ~
「ちょっと真鶴!隣の席が宮本くんなんて、超羨ましい!くっそ~、真鶴恨むぞ!」
教室に戻り、あたしが京香に宮本くんの事を言うと案の定羨ましがられた。
しかも、恨まれた
理不尽だ、凄く。
「ねえ、蓮月くんは彼女とかいるのー?」
「あ、それあたしも聞きたかったぁー!」
しかも、宮本くんにまとわりつく女子のせいで席に座れないし
今のあたしの機嫌の悪さはMAXだ
宮本くんも無視してるのに、彼女達が離れていかないからイライラしてる
…ドンマイ、宮本くん
イケメンに生まれた君が悪い
暫く京香と二人で喋っていたけれど、流石に宮本くんが可哀想になったあたしは
「ごめんね、ちょっと席に座りたいんだ」
と言って宮本くんにまとわりつく女の子達を追っ払った
え、自分が席に座りたかっただけじゃないかって?
聞き捨てならないな、宮本くんが可哀想だからに決まってるじゃないか
「あ…名前何だっけ」
席に座り携帯を弄っていたら、宮本くんが此方を見て言った
名前覚えて貰ってないのか、あたし!
「木下真鶴だよ、これから宜しくね!」
切なさを隠し、笑顔でそう言うと戸惑いながらも笑ってくれた