蓮月~ハヅキ~

「木下さん、ありがとう。ちょっとだけ困ってたから凄く助かった」


宮本くんが申し訳なさそうな顔をしながら言うから笑ってしまった



「あたしが席に座りたかっただけだから、気にしないで」



「でも……」




いいよ、って言ってるのにお礼を言おうとする宮本くんをどう宥めようか…と考えてたら、いい案を思い付いた



「じゃあ、あたしの事真鶴って呼んで?それと、あたしと友達になって下さい!」



これならきっと、納得してくれるだろう…多分



そう思い、宮本くんの顔を見ると驚いた顔をしていた。



あ、すっごくその顔写メりたい


「ダメかな…?」


いつまでも驚いた顔をしてる宮本くんにそう聞くと


「いや、ちょっと驚いただけで…え、と…こちらこそお願いします」



少し笑いながらも、すんなりOKしてくれた。
よし、これで友達ができたぞ!



「やった!宮本くんが高校初の友達だよ」



嬉しくって思わずはしゃいでしまうあたしを、不思議な物を見つけたみたいな顔をして見ている宮本くん。






入学初日で友達が作れたあたしはこれから待ち受ける事なんて露程も知らなかった
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