蓮月~ハヅキ~
教室に着いたあたし達は、ひとまず自分の席を確認する事にした。
「んー…あたし1番後ろかー。離れちゃったね京香ー」
京香は1番前だから、かなりあたし達は離れてしまった。
寂しいな…とか思ってみたり
「寂しいよぉぉお!…あ、あたし隣男子だ!イケメンかなぁっ?」
…この面食いめ。
寂しさ一瞬で吹き飛んでったわ
「あたしの隣は――男子か」
えーっと、“宮本蓮月”
…誰だろう?知らない人だ
話しやすい人だと良いけどな
しかし、あたしのそんな淡い期待は一瞬で砕かれる事になる。
「おーい、席に着けー。次入学式だからな、俺ココにいるから、各自ちゃんと準備して行けよー」
なんともダルそうにして、担任があたし達にそう言う。
なんだ、この先生は。
教室に入ってきてすぐに寝る準備してるとか、おかしいだろ
え、担任って入学式に出ないものなの!?
あたしが間違ってるの!?
でも、あの京香でさえ驚いた顔して担任を見つめていたから、きっとあの人がおかしいのだろう
「京香、体育館行こ」
あたしは、未だに担任を見て固まっている京香を引きずる様に体育館へ向かった
そういえば、あたしの隣の席の人来なかったな、と思いながら