パレット
〜カオリside〜
涙ってこんなに出るんだ…
拭っても、拭っても
とめどなく溢れてしまう
初めて授業をサボってしまった。
ぼんやりと空を眺めていると後ろでドアが開いた
「先客か…
あれ?カオリちゃん?」
「あっ、田中先輩」
「おー、珍しいな?
屋上に来るなんてさ
…なんかあったのか?」
「……」
「あー、別に言わなくていいぞ。
…っーか、カオリちゃんがそこまで泣くって事は、アイツがらみか?」
「えっ?」
「アハハ、カオリちゃんの好きな奴ぐらい分かってるよ」
「……」
「俺はさ、しょっちゅうココに来るんだ。
ぼーっと空眺めてるだけでも気分転換になるぞ」
「はい。」
「あー、それ止めようぜ」
「??」
「敬語禁止!」
「…ププッ!
アハハッ!田中先輩、凄い顔」
「おっ!笑った!」
「…ありがとうございます」
「んん?」
「クスクス、ありがとう」
「よろしい!」
「「アハハー!」」