パレット


「少しは落ち着いたか?」

「うん。…でも先輩にまでバレるくらい顔に出てるのかな?」


「あー…そりゃ…まー…」


「クスクス、なに?」



「…見てるからだよ」


「えっ?」


「ほら、去年一緒に文化祭の仕事しただろ?」


「うん。」


「あん時から、見てる。

まー…惚れてるから、カオリちゃんがいつもアイツを幼なじみとしてじゃなく男として見てる事ぐらいすぐに分かったよ。」



「…先輩」


「今、言うべき事じゃねーのは分かってんだけど、自分の気持ちを隠して…先輩ずらして近づくのは、なんか卑怯な気がしてな…。」



「……」



「なーんだよ?やっと笑ったと思ったのに、そんな顔すんなって!」


「…でも」


「俺は笑ってるカオリちゃんが好きなんだから。
だいたい、返事聞かせろなんて言わねーよ?

俺がこう言うのも変だけどカオリちゃんはアイツじゃないと駄目なんだからさ

アイツもカオリちゃんじゃないと駄目だし。

まー…あのお子ちゃまは、それに気付いてないみたいだけど?」



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