パレット
「…あったかいね先輩」
「あぁ、ずっとこうしたかったんだ」
「…ごめんね。
こんなに優しく抱きしめてくれるのに
こんなに大切にしてくれるのに」
「本当だぜ!
俺を振るなんてもったいない」
「…クスクス」「アハハ」
「…じゃぁな。」
「…うん。」
「…先に行けよ。
俺はもうちょっとここに居るから」
「うん。」
…ごめんなさい。
最後まで優しかった先輩
屋上を出る時
風の音と一緒に届いた
先輩の涙に
心がまた泣いた