愛しています
そして放課後。

私の席に一ノ瀬君が来る。

「どっか行きたいとこある??」

と、一ノ瀬君は私に聞く。

「えっと、特には…」

最近少しづつ、一ノ瀬君に慣れてきたかも。

「んー、それが一番困るなー」
「…」
「まあいいや、歩ちゃん家の近くのお店に行こうか。その方がいいしね」
「え、」
「どっかお店ある??」
「レストランなら」
「よし、じゃあそうしよう」

私達はそのレストランに行くことになった。

私の家は学校から歩いて三十分。

中学校からおばあちゃんと一緒に住んでいる。

そこから十分歩けば陵君の家。

「一ノ瀬君、家どこ??」
「俺は…学校から電車で一時間くらいかかる上川町だよ」
「上川町って、えっ??」

その街、凌君の別荘と同じ街だ。

「知ってる??」
「あ、ううん。別に」
「そんな遠いいところからわざわざ大変だねっ」
「まあねー、朝早いよー」

一ノ瀬君は笑いながらそう言った。


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