愛しています
過去IV
小学二年生の頃だった。

『歩ちゃん、ずっとここにいたってつまらないでしょ??ちょっとお外に出よっか』

私はずっと、施設に引きこもりだった。

もう人を見たくなくて。

裏切られるのが怖くて。

だから仲良くなるのが怖くて。

『歩ー』

そんな中たった一人だけ。

唯一仲良くなれた人がいた。

それが

『凌君!!』

ずっと来てくれるのを待ってた。

凌君は約束を破ったことすら一度もなかった。

だから信じられた。

『北見君、お願いがあるんだけど』

施設の女の人は言う。

『どうかしましたか??』
『歩ちゃんを今日一日、外に遊びに行ってやって欲しいの』
『歩をですか』
『うん。歩ちゃん、もうずっと外に出てないわ。少し外に出たらなにか変わりるかもしれたいし』
『分かりました。俺が責任もって返しますから』
『ありがとう。私じゃ一緒に来てくれなくて』

そんな会話が聞こえた気がした。
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