愛しています
朝。

「歩ちゃん、朝よ」

おばあちゃんはそう言う。

「あのさ、おばあちゃん。今日学校行きたくないから休むね」
「熱はある??」
「ないと思うよ」
「わかった。電話しとくよ」

おばあちゃんはそう言って部屋を出て行った。

もう、何もする気が起きない。

なんだったんだろう、今まで…。

私、中学校の頃すごく欠席が多くて問題になってた。

高校になんか、行きたくなかった。

だけど私は、凌君が受けるって言っていた頭が良い高校を受けた。

凌君がいたから、だから頑張ろうって思った。

勉強はもちろん嫌いだし、運動だってまったくできない。

だけど、凌君とずっと一緒にいたくって

つい、勉強頑張っちゃった。

見事結果は合格。

でもまぁ、学年一の凌君には叶わなかったけど。

こう考えたら、私、凌君一人のためによくここまでできたなって思った。

そんなに私、凌君の事が大好きだったんだね。

うん、ずっと好きだった。

心の底から凌君を愛した。

だけど凌君は何もわかってくれないんだ

私、どうしたらいい??

だけどまだ、好きだよ??

凌君のこと、ずっと好きなのに…。

やっぱり、卒業しなきゃ…

だめなのかな…。



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