愛しています
小さい頃から、なにひとつ凌君は変わってなんかなかった。

誰に対しても平等で

誰に対しても優しかった。

そして、私はそんな凌君を

心の底から好きになった。

いつも私と一緒にいてくれた。

忙しい時も、落ち込んだ時も、寂しい思いをした時も。

全く、そんな素振りを人には見せないんだ。

でも私は知っているよ??

誰よりもずっと凌君を見てきたから

そのくらい、簡単に分かっちゃうんだ。

君は決して、弱音なんか吐かなかった。

なんでも上手くいく方向にいって

落ち込んだ人を励まし

みんなを笑顔にしていた。

見た目もよく、中身もいい。

本当、なにもかもが完璧なんだ。

本当はきっとね、

泣きたい時はいくらでもあったと思うんだ。

両親のいない私は、小さい頃

これ以上ないくらいに泣いたよ??

なのに君は一度だって涙を見せなかった

悲しいはずなのに

いつも我慢して

だけどそれが、凌君なんだ。

でもね、

私の前くらいでは…泣いたって

いいんだよ??
< 4 / 36 >

この作品をシェア

pagetop