eternal Lovers

…俺ってアホだな。


いさわさんに偶然会えたらいいななんて思って、
俺の心の中での恋が、叶うようにとお守り買いに男独りでお祭りに来ちゃったよ…

この人混みじゃあ、いさわさんに会えるわけないな。
とりあえず、目的のお守りだけ買って、さっさと帰るか。


心の中で独り言をぶつぶつ呟きながら俺は境内の社務所へ行き、お守りを買った。
目的のものを買うと、踵を返して元来た道を戻る。

鳥居から境内に向かう参道はほとんど人がいない。
のに、鳥居の手前で、人の波が参道を横切っている。
行く時もその波を掻き分けて横切るのは至難の業だったが…帰りも大変そうだ。


意を決して人の波に飛び込んだ。
流れに沿うならまだしも、逆らって横切るから、なかなか進めない。
様子を見ながら地道に進んでいく。
もう少しで突っ切れるところまで来た時だった。






ドンッ。






やべえ、誰かとぶつかっちゃった。とにかく謝らないと。

「す、すいません!!大丈夫ですか?」

俺が声をかけると、相手は顔を上げた。
謝ってきた相手は、俺の顔を見るなり、唖然としていた。
もちろん、俺もビックリしていた───










───『いさわ』さん
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