eternal Lovers

会いたさ半分で、お守りを買いに来たと言う名目でお祭りに来てみた。
人混みを見て、会えるわけないと諦めたのに…

奇蹟って、あるんだな。

そう思いながら俺は、いさわさんかどうか確かめてみた。
あっちも常連客である俺のことは分かったらしい。
でも何だ?…『朝ごはんの人』って。


どうやら彼女は友達とはぐれたらしい。
俺は探しに行こうとする彼女を無意識のうちに引き止めていた。
でも、引き止めても特に何もない。
何しろ今日、初めて喋ったぐらいだ。
俺は必死の思いで引きとめた言い訳を考えた。

「いや、あの…この人混みじゃ友達なかなか見つからないと思うよ。
境内のほう、人少ないからそこで待ち合わせしたら?」


俺はいさわさんと並んで歩いて境内へ向かった。
彼女は若干、不服そうな顔をしている。
沈黙が続いて、そんなに長くないはずの参道が長く感じる…。
とりあえず何か話しなくては…そうだ。名前。
俺はいさわさんの下の名前を訊きつつ、自分の名前を言ってみたりした。


いさわ かなみ


…か。
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