時の中で
いつもの朝。
「…!‥ん!‥れん!花蓮!起きなさいってば!あなたったらいつまで寝てるの⁉︎遅刻するわよ⁉︎ほら、さっさと朝ご飯食べて学校にいってらっしゃい!母さん、今日帰りが遅くなるから夕飯は冷蔵庫にあるのを温っめて食べてね。じゃっ、いってきまーす♪」

「…。いってらっしゃい…」

私は小桜花蓮、16歳。高校1年生。家族構成…母1人。それと、私。要するに、母はシングルマザーだ。
しかし、なんだかそれも分からなくなってきた。最近、母の様子がおかしいのだ。明らかに。まぁ、いろいろな事情があって父が目の前からいなくなった時の母は、(男なんか信用するものですか…!男なんて、男なんて…!)と、それはもう、大噴火、地震、雷雨、津波などの自然災害が巻き起こるくらいの大激怒だったのに最近は、かわいくメイクをして必ずルンルン気分で仕事に行くのだ。

そう、それは恋をしているかのように。

仕事に行く時でさえ、「化粧なんかいらない。メイクなんかしたら汚い、気持ち悪いゴキブリ共が寄ってくるからね‼︎いい⁉︎花蓮も気をつけるのよ…!」と、すごい剣幕で言われてたっけ?うーん。考えすぎかなぁ…?だってメイクしだしてから、男なんて…!というグチ話も聞かなくなったし、楽っちゃ楽なんだけど…なんか、調子狂うなぁ…あれ?これって話を聞くことに慣れてしまってグチ話を聞かないといけない耳になってしまった?嫌だなぁ…早く直そう…あ、誰かに相談したらすっきりするかもなぁ…友達がいればだけど。クスクス。そろそろ学校かぁ…。では、いってまいります。そうやって、今日もまたつまらない1日がいつも通りの日常が始まる。
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