Kiss of a shock ~涙と~
陣内の姿に先に気付いたのは、勿論、健二だった。


「お帰り。」


微笑んで、健二は女を突き上げながら言った。


陣内は微笑み返し、答えた。


「ただいま戻りました。」


「うん、ちょっと待ってね。もう終わるから。」


まるで事務的にそう言って、女に視線を移す。


甲高い声を上げて、よがる女と違い、彼は冷静そのものだ。


「はい。」


陣内は、1人掛けのソファーに腰掛けて、2人を眺めた。
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