Kiss of a shock ~涙と~
「ふふ、断ろうと思って?」


見透かしたような笑みが見えたような気がした。


何も答えないでいると、陣内が続けて言った。


「どうして?良い話じゃない。」


「私は・・・そういう体の切り売りみたいなのはしたくないんです。」


「ああ、お金と交換で、っていう気持ちになっちゃったわけね。」


「気持ちっていうか・・・それが事実ですから。」


健二にとって、興味があるのは自分にではなく万理香が処女だから、とか・・・これまでの生涯が特殊だからとか、そういうことに対してに違いないし・・・。


「そうかなぁ・・・。私はそうは思わないけど。」


「・・・じゃあ陣内さんはどう思うんですか?」


この人だって、健二とそういう関係があるに違いないのに。


平気なんだ・・・。


それもよく分からない。
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