Kiss of a shock ~涙と~
「俺にそんな貸し作りたくない?」


「・・・。」


何て答えるのが正解なのかよく分からない。


健二は、何もかもお見通しみたいに電話越しに表情が窺えるくすぐるような笑い声をもらしている。


社長に、このお金を渡して、この人とさっさと1回やっちゃうのが正解・・・何だろうか。


健二が自分に対して抱いている好意を「恋心」だと一旦は解釈して?


それこそ、自分の良いように考えたことになるんじゃないのだろうか。


健二のことが好きなんじゃない。


健二に近付くのは、怖い・・・けれど。


嫌いなのでもない。


「ただ・・・」


「え?」
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