Kiss of a shock ~涙と~
今にも泣きだしそうなのに、食いつきそうな視線を向けてくる。


面白いね…。


何か、を決めた―ってとこか?


車に乗り込む万理香を見つめて、健二は微笑んだ。


「似合ってる、そのドレス。」


万理香はくっと視線を逸らして答えた。


「どうも。」


窓ガラスに視線を向ける。


動き出した車は、駐車場を出て車道に上がった。


冷たげな雨粒が窓ガラスを叩いている。


「冷たいな、万理香ちゃん。」


「…。」


健二は微笑んで、それから万理香の膝に手を置いた。
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