Kiss of a shock ~涙と~
びくりと万理香は身体を竦めた。


青褪めているに違いない。


唇をかみ締めて、それから健二を睨んだ。


くすっと健二が笑う。


「怖いな。」


「…触らないで。」


健二はその手を浮かして、ふっと微笑んだ。


「良いよ、今はガマンしとこうかな。どうせ、後でたっぷり楽しめるモンね。」


「健二さん、その言い方。」


「オジサンくさかった?」


陣内と笑いあうふたりに苛立ちを感じながら窓の外に視線を向けた。
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