Kiss of a shock ~涙と~
いつものコンビニに向かって、車道を横目に自転車を走らせていた。


傘をさして自転車を走らせれなんて面倒でツバの大きな帽子を被ってやり過ごすことにしたけど、やはり雨粒は冷たい。


けど、まあすぐそこだしな…。


と、考えていた。。


自分の横を通り過ぎた黒いベンツの中に、あの女の横顔を見つけるまでは…。


ん??


直人は眉根を寄せて濡れた鼻をつまんだ。


あれ、あの女か…?


いつもより化粧は濃かったけど、あの泣き顔には覚えがある。


「…。」


直人はチッと舌打ちして車を見やった。


信号待ちで、少し先で車は止まっている。
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