Kiss of a shock ~涙と~
万理香は、何を考えているのだろうかー。

自分を嫌い、考えを否定し…与えるを拒み、だが、こうして誘いに乗った。


電話で言った健二を肯定する言葉は、ただ勘違いをさせたくないという気持ちだったことは分かってる。


なら…どうして…。


冷たい殺気のようなものさえも感じる万理香の横顔を見つめて、健二は微笑んだ。


「…何?」


万理香が冷ややかに問う。


「…何を怒ってるの?」


いや…これは憎しみ…か?


「俺とするのがそんなにイヤ?」


万理香はぎゅっと拳を握りしめた。
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