Kiss of a shock ~涙と~
何と声をかければ良いのか分からない。


分からなくて、身体が固まる。


健二はそれを見てハッと声を上げて笑った。


「また、ダンマリかよ。」


直人、健二!


祖父が二人の名を呼んだ。


健二はぐっと拳を握り締めて言った。


「お前の楽しいことも嬉しいことも、全部、奪ってやる。」


たどり着いた祖父は、直人の背後で足を止めた。


ぜいぜいと息を上げて、直人と健二を交互に見遣る。
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