Kiss of a shock ~涙と~
見知らぬ他人の、しかも男の人の家の男の人のベッドで、眠れるわけなんかない。


って、思ってたけど、私はいつの間にか眠りにおちていた。


眠ったという意識もないぐらいに深く沈みこんでいたみたい。


目が覚めた時、ここがどこなのかってことも暫く思い出せなかった。


「目、覚めた?」


体を起こした万理香が、呆然としているのを扉を開けた直人が見つけて声をかけてきた。


万理香はハッとして答えた。


「あ、はい。おはようございます。」


思わず身なりを気にしてしまう。


そうだ、私・・・


そこでようやく昨日のことを思い出した。


「おはよ、飯できてる。用意できたら、来いよ。洗面所、そっち。」


ものすごくぶっきらぼうにそう言って、顔を見るのもそこそこに行ってしまった。


やっぱり、迷惑だったのかな・・・。


そう思いつつ、立ち上がる。


昨日あったであろう、微熱は引いたみたい。
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