Kiss of a shock ~涙と~
この家に、他人がいるなんて不思議な感じだ。


大丈夫。


こんなのは、この1回だけだから。


俺は幸せになっちゃいけない。


喜びなんて感じちゃいけない。


「なぁ。」


食い終わった女を見遣り、俺はたばこを片手に言った。


「健二とは・・・どういう関係?」


オレンジジュースを飲みつつ、え?と答える。


「だから、その・・・」


「えっと、昨日、言ったとおりですけど。」


直人はそうかと呟いて、髪をぽりぽりと掻いてもう一度言った。


「つ、付き合ってんのか?」


「・・・え?」


「だから、付き合ってんの?って言ってんだよ!」


万理香はカァと顔を紅くして首を振った。


「いえいえ、そういうんじゃなくて、えっと、ビジネスでの関係っていうか、か、彼はそういう女の人は沢山いるみたいで、私みたいなのは、あの興味があるだけっていうか、その・・・!」


あれ・・・何言ってるんだろう私・・・。


絶対、意味通じてない。
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