Kiss of a shock ~涙と~
よく見れば笑顔さえも、彼に似ている。


冷たい孤独に苛まれる、寂しい眼差し―。


「あいつのためにわざわざ、こんなとこまで追って来たのか。」


それに、侮蔑の笑みを浮かべて続ける。


「何の為に?」


陣内は、ふっと微笑みを返した。


「あなたの考えが知りたくて。」


「俺の考え?」


「そう、ねぇどこかに入らない?寒くて凍えそう。」


陣内の指先が、直人の腕に巻きつくと、直人は陣内を見下ろして言った。


「誘ってるのか?」


「さぁね、どう思う?」



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