Kiss of a shock ~涙と~
「あんたが、それを言うのか・・・。」


そう言うと、陣内はふふっと笑って言った。


「私も彼と同類だから。」


「同類・・・。」


直人は繰り返して嘲笑を浮かべた。


「さしずめ・・・悪魔の使いってとこか。」


「そうねぇ。」


陣内がここまで来た理由は、聞くまでもない。


悪魔の使いだと、同道と頷いてみせるその姿に、それを実感する。


仕方なく肩を竦めて言った。


「健二は何て?」


「貴方を探して連れて来いって。」


「・・・何で。」


「私より、分かってるんじゃないの?」


・・・


直人は黙って目を伏せた。

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