Kiss of a shock ~涙と~
陣内は後を追って言った。


「どうして?」


「どうしてなんて、よく言えるな。なんだってわざわざあいつに逢いに行かなけりゃならないんだ?」


「あなたの万理香ちゃんを守る為よ。」


「なら、尚更行く理由はねぇな。あの女の事なら俺には関係ない。」


陣内は直人の前に立ちはだかると、直人の足をようやく止めて言った。


「それこそおかしいわ。あなたは彼女のこと、愛してるはずよ。」


愛…?


直人は、嘲笑を浮かべ陣内を見下ろした。


「愛なんてもの、この世界にはない。」
< 273 / 347 >

この作品をシェア

pagetop