Kiss of a shock ~涙と~
憎悪、嫉妬、怒り…


人間に感情がある限り、あるのは愛なんて甘いもんじゃない。


そんなものは、絵空事だ。


心底、馬鹿らしく、見下した視線で陣内を見下ろし囁く。


「あんたみたいな誰かの犬で構わないなんて傷つきたいマゾ女の考えてることは俺には分からないけどな。」


陣内は直人を見つめる瞳に僅かに力が籠るのを感じて、拳を握りしめた。


だめー、この人は私を怒らせたいのよ。早く追い払いたいからーー。


ふぅーと、息を吐いて微笑んだ。


「そうね、自負してる。今のは褒め言葉ととっておくわ。」
< 274 / 347 >

この作品をシェア

pagetop