Kiss of a shock ~涙と~
いつまでも朝が来なければ良い。


そうすれば、ずっと彼の夢を見ていられるのに。


けど、無情にも眠れば朝は必ず訪れるし、おなかも減るし、シャワーも浴びなければ体が汚れてどうしようもない。


生きてるんだって実感するのと同時に、ずっとこのままでいることはできないんだって思う。


死の恐怖を知っているからこそ、パパとママの後を追うことも―できない。。。


いつか、この心の穴を塞ぐことができるのかもしれないけど・・・


それは今じゃないってことだけは確かだ。


とくに、見てもいないテレビをつけて、閉ざしたカーテンの隙間から外の気配を窺う毎日には・・・


そろそろピリオドを打つべきなんだろう。


自分の心に。


ため息を零して、それからカーテンを開けた。


せめて、晴れていれば良かったのに、曇り空に余計に気が滅入るけど、何とか奮い立たせてかぶりを振った。


忘れよう・・・。


忘れることができるよう、努力しよう・・・。


そうするしか、ないんだから。
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