Kiss of a shock ~涙と~
泣き出しそうな背中。


腕を組んで、その姿を見つめて陣内は微笑んだ。


頭の中では分かっているのに、足が心が、勝手に動いてしまう、ってところ・・・?


可愛いわねぇ。


そういうの、私にもあったかしら・・・。


「さて。。」


鞄の中から携帯電話を取り出して耳に当てると電話の向こうの相手に言った。


「もしもし?ターゲットがそっちに向かったから。打ち合わせとおりによろしくね。」


電話の向こうから聞こえてくる台詞に思わず嘲笑を浮かべて返す。


「う~ん、そうねぇ・・・ちょっとだけなら、でも全部はだめよ。ボスに怒られちゃうからね。」


はいはい、適当にあしらって電話を切ると、陣内は唇をなぞり囁いた。


「さて、子兎ちゃんは、どうなるでしょうか?」
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