Kiss of a shock ~涙と~
「触らないでよっ!」


怒鳴って、震える身体を手繰り寄せる。


万理香は鞄の中に手を突っ込んで携帯電話を探った。


「おっと、警察とかだめだぜ?俺ら、てか別に悪い事してないし?」


「なぁ?」


「まだ、だけどな。」


ケラケラって笑ってそれから4人で万理香を隠すように取り囲んだ。


実際、万理香の姿は周りからは見えないだろう。


それほど背の高くない万理香をがたいのいい男たちは良いように飲み込んでいる。


「怖がんなよ、別に痛いことはしないって。」


万理香は震えて思わず鞄を取り落とした。


「怯えてんじゃん、マジ可愛い。」


「な、ちょっとなら良いって言ってただろ?」


何のことだか分からないけど、4人は顔を見合わせて言う。


「ちょっとかじるくらいなら・・・イイんじゃないの?」


万理香はびくりと震えた。
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