Kiss of a shock ~涙と~
健二さんに報告するのは、ここまでで良いかしらね。


そう考えて、唇をなぞった。


放心状態、っていうか抜け殻みたいになってがくがく震えている万理香を見ていると、思わずにやけてしまう。


彼らは、ただの通りすがりの親切なカップルだったみたいだし、あの男に女がいる以上は、これ以上の進展も心配はなさそうだしね。


3人に背を向けると、停めてあった車に乗り込んだ。


あ~あ


エンジンをかけながら、ちぇっと舌打って呟く。


「ヤられちゃえば良かったのに・・・残念。」


・・・車は、素早く走り去った。
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