Kiss of a shock ~涙と~
広東語でさっきこいつが言っていたホテルの名前を運転手に伝えた。


それからチップを払って、乗り込んだバカな女を見やり言った。


「おい、あんた。」


「何よ」


「誰にでもほいほいついてくと、痛い目に合うぞ、つーか、んなことガキでも分かってることだけどな。」


「分かってるわよ、そんなの!」


「そ?ならいーけど。じゃ。」


車の扉がバタンと音を立てて閉じられた。


思わず、プイと顔を背けたけど…


あんなのでも助けてくれた…わけだもんね?


一応、お礼くらいは…


そう考え直して扉の方を向いた。






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