Kiss of a shock ~涙と~
曜子は、ため息交じりに万理香がいる部屋の明かりを見上げた。

こんな役目・・・

頼まれでもしなければ、ごめんだわ

傷つくのはいつも女

携帯電話を取り出して、知った電話番号を鳴らす

しばらくもせず、電話口に相手が出た

「もしもし、私。」

返事を待つ。

「うん、大丈夫・・・だと思う。あんまり長居しても困るだろうから、出て来たけど・・・連絡した?うん、じゃあ、大丈夫かな。え?ああ、うん、今からすぐ戻るよ。はい、分かってる、気をつけるって。」

じゃあねといい置いて、電話を切った。

寒いのは、あの子も同じだろうな。

そう思って、息を吐く。

好きなら、離さなきゃ良い。

それだけのこと。

まったく・・・

「早く、気付けよなぁ。」

失笑して呟いた。
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