Kiss of a shock ~涙と~
健二は、ゆっくりと強張って冷たくなった指先を万理香に伸ばした。

指先が、更に冷たい万理香の首筋に触れると、万理香はびくっと身を竦めた。

「俺は俺の好きなように行動する。誰からの指図も受けない。」

「そんなの・・・傲慢だよ。」

「傲慢?」

くすっと健二は微笑んで続けた。

「そうだね、そうかもしれない。けど、俺は何からの束縛も受けない。そして、自分の欲しいものは全て手に入れる。何だってね。」

万理香の肩を掴むと、そのままその場に押し倒す。

「あっ!い、嫌っ、やめて健二くん!」

健二は無防備に横たわる万理香を見下ろして嘲笑を浮かべた。

「嫌?」

ふふっと笑う

その目は座っていて、もう欠片ほどの少しの優しさも感じられない。

さっき、怒っていた健二はほんの一瞬だったけど、正気の顔をしていたのに・・・。

万理香の腕を絡めとると、健二は唇を首筋にあてた。

ぞくり

万理香の背中に悪寒がはしる。

「いっ嫌だってば、やめて!」

ちゅっ

首筋に濡れた音が上がる。

そして、舌なめずりして言葉を紡いだ。

「嫌がれば嫌がるほど、男ってのはソノ気になるもんだよ?それに、どう抗われたってやめるつもりはない。」
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