Kiss of a shock ~涙と~
殺したい

殺してしまいたい

感情に苦しめられる自分自身を・・・

それでも、健二を嫌えない自分自身を------

「陣内・・・っ」


知ろう

直人と健二の間にある確執が何なのか

その理由を探ろう

それで、その理由を知っても、健二の味方でいようと思えたなら、その時は・・・

その時は、もう秘書ではいたくない

健二の愛が欲しい

健二に想われたい

自分と同じように

愛していると、本心から囁きあい、抱き合いたい。

普通の恋人同士のように・・・

一時だけでもいい

それができないなら・・・

叶わないなら

もう、いい。

もう・・・・・

「健二さん、愛してます。」

はぁと息を上げて、囁いた。

届かない言葉だと知っているけれど、どんなに酷くされても・・・

「愛してる・・・」

健二はふうふうと息を整えて、それから微笑んだ。

「どうしたの?」

ズキンと、胸に痛みが走る。

「珍しいね、陣内がそんなこと言うの。俺も愛してるよ。」

・・・分かってる。

それは、真実じゃない。

「痛かった・・・?ごめんね。」

これは、本当じゃない。

「いえ・・・」

苦しげに微笑んで、陣内はもう一度言った。

「・・愛してます。」

思いが届かなかったらもう、・・・やめよう。

健二を・・・想うことを。。。。。。
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