Kiss of a shock ~涙と~
「あ、直人さん笑った・・・」

万理香呟く。

「えっ?」

「今、笑いました!直人さん、笑った!はじめて・・・!」

声に出して、笑った、笑ってくれたってことが、すごくすごく嬉しくて・・・

万理香はたまらず、直人を抱きしめた。

「嬉しい―!」

あ・・・

間もなく、万理香の唇に直人の唇が重なる。

そっと離れて、息つくまもなく再び重なる。

それからぎゅっとされる。

それを何度も繰り返されて―繰り返されることが嬉しくて、自分からも腕を回した。

もう、離したくない。

ようやく手に入れたんだもん。

再び、軽く唇が離れて、直人が言った。

「口」

「え・・・?」

「口、ちょっとだけ開けて。」

万理香の返事を待たずに、再び唇をふさがれる。

あっと思った。

直人の舌が、口の中に入ってきている。

それは、万理香を探すように蠢いて

「う・・・む・・・っ」

万理香は思わず声をもらした。

すごいやらしい

やらしいキスだ

けど・・・

「はっ・・・な、おと・・・さ」

水音が、更に万理香を妙な気持ちにさせる。

こんなキス知らない。

すごく・・・

ちゅっと音を立てて、直人が唇を離した。
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