Kiss of a shock ~涙と~
万理香は、すがるように自分の腕を掴んできた直人に応えるように握り返した。

怖いの・・・?

直人さんも・・・。

「時々、男が訪ねてくるんだ。母さんに会うために。子供心にきっとあれが父親なんだろうと思ってた。」

「それって・・・尾山グループの?」

「ああ、社長だよ。母さんはその社長さまの奥さんだったんだ。」

すごい、社長夫人ってやつね。

なるほど。

ん・・・?

じゃあ健二くんは、腹違いってことは・・・

「ある日、その社長さんが赤ん坊を抱いた女を連れてきた。ここで一緒に面倒を見ろって。」
< 334 / 347 >

この作品をシェア

pagetop