Kiss of a shock ~涙と~
店の前で悶絶している万理香を見つけるのは容易かった。


あいつが、俺のことをイマイチ良く思ってないってことは知ってる。


靡かない女を追いかけなけりゃならないほど


女には困ってない。


けど、こういう姿を見ても思う。


やっぱり、気になる。


どうしても―。


振り向かせたい。


どんな顔で、どんな声で鳴くのか、見てみたい。。。


冷ややかに微笑んで、健二は声を発した。


「万理香ちゃん、何してるの?」


その声でハッとして万理香が振り返った。

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