Kiss of a shock ~涙と~
第4章 「冷たい嘘」
見るでもない雑誌をただ開いていただけ。


ただ、ひとりでいたくなくて


ここだと、ずっと誰かの存在を感じていられる。


ひとりじゃないと思える。。。


けど、よく考えたらもっと家から離れた場所に行っとけば良かったんだろう。


家を知られているってことは、よく立ち寄る場所だって


知っていてもおかしくない。


これだから、私は甘いんだ。


もっともっと、考えていればよかった。


そう思っても、もう遅かった。


目の前には、健二の秘書の陣内の姿がある。


仁王立ちに腰に手を当てて、猫のように微笑んで言った。


「ちょっと良いかしら?」
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