紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
そして…もう一つ。
それは…。
システムの藤村課長や赤羽主任に
見せているような
滅多にお目にかかれない
あの笑顔を見せて欲しい事…。
だけど今の私はどうしても
武内課長に怒りばかりを与えていて
笑顔にさせてあげられていない。
ふぅ…。と息を吐いた後
あっ…そうそう。と
給湯室に入る前に
スマホが震えていたのを思い出して
急いでチェックした。
『今日の夕食は焼魚が食べたい。
必ず宜しく。』
それは
私が随分前からお世話になっている
大恩人さんであり
血の繋がりは全くないけれど
私の保護者として家族として
ずっと一緒に暮らしている
《りとさん》からのメールだった。
『了解しました。
鯖なら冷凍庫にありますから
焼魚出来ます。
頑張って早めにOK貰って帰宅します。
気をつけて帰って来て下さいね。』
《りとさん》にメールを返信すると
スマホをポケットに仕舞った。
昔から《りとさん》は
私の作る食事に文句は言わないけど
時々こうして
夕食のリクエストをメールしてくれる。